⛩️カサモリサンにまつわるエピソード紹介⛩️私は昭和11年生まれ、5月に87歳になります。新光明寺の第40世で現在の住職の祖父に当る... | 浄土宗 新光明寺

⛩️カサモリサンにまつわるエピソード紹介⛩️

私は昭和11年生まれ、5月に87歳になります。
新光明寺の第40世で現在の住職の祖父に当る泰彦和尚の実弟です。
私の母は信心深い人でしたが、特に「かさもりさん」には特別な思い入れがあったようです。そのベースになった事件のうち、私に関連したものをいくつか紹介してみたいと思います。

【その１】
私が4歳の時、静岡市葵区伝馬町の寺の前を走っていたチンチン電車に轢かれ20メートル程引きずられましたが、奇跡的に助かった事がありました。
「トオルちゃんが轢かれた」の声に、母は腰が抜けて立つことが出来なかったと当時の思い出を語っておりました。
なぜ助かったのか。当時の電車にはフロントに大きな網があり、運転手が足元のレバーを踏むと網が下に降り、タモで掬う様に出来ていました。運転手の機敏な動作が私を救ってくれたのです。
母が「かさもりさんが運転手の足をとっさに動かした」と思ったのは言うまでもありません。

【その２】
私が小学3年生の時、太平洋戦争末期に静岡市はB29の大空襲を受け、7千人以上の死傷者がでました。
富士市や榛原の方からも赤々と燃える静岡市の様子が見えたそうです。吾々新光明寺の一家は逃げ遅れた近所の人々や旅行者など30人ほどと一緒に近所の大きめの防空壕に避難し、一夜を過ごすこととなりました。焼夷弾は雨あられと降ってきて、その内の一発が直撃を30センチほど逸れて着弾、私の背中に土がドッと入ったのを今でも覚えています。翌朝その跡を見ると壕の外側を覆っていた土の１/３程がすっ飛んでいました。当時市内にあった防空壕のほとんどが直撃を受け、助かった人の話は他に聞いたことがありませんでした。この防空壕の中には現存している伝馬町の阿弥陀如来と瘡守稲荷も一緒でした。母曰く、「30センチはかさもりさんのお陰だね」

【その３】
私が34歳の時、名古屋の中心、錦通りでの交通事故、幸い相手なしの一人相撲のオートバイ転倒でしたが、当時としては大型の250㏄バイクで事故当時の時速は80キロ、バイクは転倒した場所から20メートル離れた場所で大破、ブレーキペダルは30メートル先まで飛んでいました。夜間で道路工事中の豆電球が目に入らず、砂利の現場に突入し、転倒。顔から地面にのめりこんだので、危険な後頭部は避けられ、奇跡的に後遺症もありませんでしたが、顔面はズルズルで男前が少々落ちたのは残念なことでした。転倒場所の2メートル先に石の欄干があり、「これに頭をぶつけていれば即死だった」と巡査が云ってたのを今も覚えています。
母はこれも当然のように「かさもりさんのお陰」と感謝していました。

【その４】
2001年9月11日、ニューヨーク貿易センタービルの同時多発テロ事件。
ちょうど1週間前の火曜日に私は同ビルを訪問し、金融関係者と面談していました。その日に会った2人の米国人はテロで死亡しています。
2009年3月、アメリカへの出張3日前に狭心症が発覚し、即入院。即刻バイパス手術をし、一命をとりとめましたが、そのまま出張となっていたら機内で何が起きていたかはわかりません。
そんなわけで、私は母の亡くなった今も、かさもりさんに守られていると信じています。

追伸
ちなみに現在足久保の新光明寺参道や境内の石畳は、当時の伝馬町の寺の前を走っていた市電の軌道に使われていた敷石です。兄である泰彦和尚が廃線になった際に市から払い下げてもらい再利用し現在に至っています。

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大叔父が「かさもりさん」を大切に思っていることは以前から知っておりましたが、これらのエピソードを詳しく知ったのは今回の寄稿がはじめてであり、良い機会を頂戴したことを嬉しく思っております。
新光明寺の本尊は阿弥陀如来ですが、直接的な現世利益の点では阿弥陀如来よりも瘡守さんや観音様の方がその働きが強い為、これらは「かさもりさんのお陰」で間違っていないのです。
物事は自分の責任で行うものですが、時として『何か大きな力に守ってもらったのではないか』と感じることが人生の中で一度や二度は皆様のなかにも思い当たることがないでしょうか？

それは神仏の加護であるか、それともご先祖のお導きかはわかりませんが【成功】は神仏や周りの人のお陰、【失敗】は自分の未熟さ故に、と受け取らせて頂き、感謝の気持ちや恩を忘れず反省を繰り返し精進した方がきっと豊かな人生を送ることが出来るに違いありません。
大叔父は文中にもある通り、海外にも仕事で赴く機会があり、ある日本の大企業で会長まで勤められました。荼枳尼天のご利益の中には【出世】というものがありますがこれも納得であります

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